部下から、出社拒否されたお話 ~環境をととのえる~

ある日、部下から会社に行きません!と逆ギレされたあと、

試行錯誤してなんとか解決にいたったお話の続き。

 

前回の記事はこちら。 

goldsword.hatenablog.com

 



今回はわたしが手を打った2つめの手。

  2.教育体制をととのえるため、上司にネゴる。

についてです。

課長、パソコン教室やりたいです

チーム全体にアプローチする改善策を考える

逆ギレスタッフがパソコンができず、ずどーんと落ち込んでいたころ、

実はまわりのメンバーにもその空気は蔓延していました。 

「わたしもパソコン苦手だから、習得できないんじゃないか」

  

一方で、会社レベルで考えると新システムを使った入力業務は今年度の重要施策。

ひろい目でみるとコストカットにもつながります。

新システムへの切替を、混乱なく安定稼働させるのが会社の大きなミッション。

 
じゃあ、現場のマネージャーのわたしがやるべきことは?

その他大勢のパソコン弱者はどうする?

システム導入後もチームがまわる仕組みは?

 

チームの年間計画表とにらめっこしていると、ふと思い浮かびました。

 

「あ、そうか。自分でパソコン教室を開けばいいのか」
 

ふだんの研修で教えるのは、書類仕事の実務に必要なノウハウのみ。

でも、OAスキルの習得も実務習得と同列に扱い、通常業務のOJT研修と等しく教育計画に組み込むことにしたのです。

 

人事ならともかく、現場の課でこんな研修をおこなうのは前例のない話。

でも会社の方針と現場の格差を照らしあわせるとやらないとまずい。

しかも急ピッチで。

 

さっそく課長にアポをとり、年間計画とともにパートのOAスキルの低さとパソコン研修の重要性を訴えました。

するとあっさり、「へえ、斬新!おもしろいね。やってごらん」とGoサインが出ました。

 

 思わぬ展開

とはいえ、パートのOAスキルレベルと蔓延するパソコン恐怖症を目の当たりにして、どこから手をつければいいのやら。いそがしい通常業務の合間をぬって、しばらくは地道に研修内容を洗い出す日々。

 

ところがようやく本腰いれて準備しようと思ったころ、 

課長から突然、パソコン研修待って!とストップがかかったのです。

え~~~????? なんで、いまごろ・・・。

 

「あのね。課長会でどの課でもパートのOAスキルの低さが話題になってさぁ。これじゃ新システムに移行できないよねって。

うちは課内でOA研修やろうとしてるって言ったら、人事部が全課まとめてOA研修してくれることになったよ。あとで人事から研修の内容について相談メールくるから見ておいてね」

 

わたしはこころのなかで「ひゃっほーい!」と叫びました。
もしかしたら、わたしの思い付きが会社を動かしたのかも…と都合よく解釈し、

機嫌よくなりました(笑)

 

まぁ正直なところ、どこまで影響しているかわかりません。

だけど、報われない 報われない と嘆くリーダーのみなさん。

たとえすぐには評価されなくても、実感できなくても、あなたの働きはまわりまわってどこかで組織のためになってるものなのです。

 

  パソコン教室、その後

人事部でのパソコン研修から帰ってくるパートの顔つきは一様に晴れやかでした。

「どうでした?」と聞くと、「楽しかった~!」と。

 

発端となった例のスタッフも、

「最初からパソコン研修うけていれば、あんなに苦労せずにすんだのに」

と言っていて、やっぱり効果あったんだな~とうれしくなりました。

 

個人へのアプローチと環境へのアプローチ

前回つづった記事は、パートリーダーによる個人へのアプローチ。

今回の記事では、チームリーダーによる組織の仕組みに対するアプローチ。

個人の行動の変容を促すには、個人に対するアプローチだけでは解決できないことも多く、同時に組織や仕組みに対する環境へのアプローチも求められます。

 

今回のできごとは、個人と環境の両輪のアプローチがうまくハマった事例で、

個人的にも手ごたえを感じられる経験となりました。

 

次回は、今回の事例をキャリア理論や心理学の観点から考察してみたいと思います。

 

それではまた。